そろそろマスコミに代わるものが出始めるのではないでしょうか。今考えるだけでも代わりはいくらでもあります。
テレビ制作側よりも視聴者のほうが情報リテラシーが上だなんて、存在価値も何もないのですが、なぜ、無価値なものが存在するのでしょうか?いくら地球には慣性の法則があるといっても、いい加減テレビも新聞も飽きたでしょう。
そして、政府と官僚、大企業。これらは、どちらかと言えば下衆な部類の人間ばかりが集まって、悪業の限りを尽くす連中は宇宙ゴミ並になっています。一日も早く処分すべきです。その他にも、自動車や飛行機、学校の教師、お金に代わるものもいくらでもありそうです。
しかし、代わらないものもあります。農家や漁師がそうですが、農協や漁協のような仕組みの代わりはいくらでもあります。役に立たない仕組みは消えていくしかありません。そう、全てが代わるものに変わるのです。
代わると言っても、代理するのではなく、そのものが代わります。企業に代わるものが個人に代わります。なり手は普通の人ですが、基軸が代わります。役所や行政も今のような年寄りが密室でゴソゴソうごめくようなスタイルは代わります。官庁に就職するなどという無駄な仕組みもなくなります。
役所に常駐する職員もいらないし、バカみたいに大きな庁舎も必要ありません。ほんの少しだけタイムスリップしたその場所のカフェのようなスペースに入れ替わり立ち代わり人々がやって来るようになります。彼らのオフィスはタブレットなので、ここが昔で言う庁舎の会議室に代わるのです。
必要なときに、必要な人と意見交換したり、業務の進捗や進め方の意見交換をしたりするだけです。ふと視線をそらすと、彼らの移動手段が見えてきました。車に代わる近未来の乗り物は、パイプをつなぎ合わせただけのものです。パイプの釜に当る部分が重心、その下半分に反重力エンジンが埋め込まれています。その反対の吸い口の辺りに、方向や障害物を察知するレーダーが内臓されています。
カフェを出て来た若者がそのパイプの乗り物に股がり、タブレットに何やら打ち込むと、パイプはふわりと浮き上がり、吸い口の先から水平と垂直の光の線が見えてきます。パイプの吸い口の辺りがトーラスエネルギーの発生起点になっているのです。
パイプのお尻の反重力装置エンジンと反応して、渦巻き上にボディー全体を包む光の膜があり、その内側に地球の重力は及びません。低速で飛行する場合は重力がそれと釣り合った状態で飛行しますが、超高速になると、地球重力から孤立した完全無重力状態になります。従って乗員も地球重力を受けないので、重力が発生しません。
反重力装置が出力をあげると光の渦の流れが乗客を包み込み、コックピット内部はトーラス保護シールドにより見えなくなります。地上付近は障害物が多いのでゆっくり進みますが、上を見上げるとたくさんのパイプの乗り物が飛行しています。
パーソナルなパイプの釜の底面にフリスビーのようなエンジンが見えます。恐らくここで超小型のプラズマを発生させ、高速回転させることで推進力と無重力状態を作るのでしょう。数キロから数十キロ、あるいは一気に地球の裏側数千キロの飛行も可能です。
大企業に代わるものが個人になり、役所に代わるものが行政担当者になり、もはや国境に意味はなくなるでしょう。それぞれの行き先の障害物のないルートが確定すると、ギュイーンと発光して瞬間移動するでしょう。
すると遥か彼方から光が見えたと思ったら、上空で静止し、光を弱めながら、ゆっくりと降りて来ます。地上スレスレで停止すると、パイプの乗り物はそのまま少し浮いて止まります。降りてきたのは可愛らしい女性です。キーロックもせずに、ストンと滑り降りた女性は例のカフェに吸い込まれていきます。彼女も行政に代わる組織のメンバーなのでしょう。
私は少し移動して、他の場所も見たいと思ったのですが、どうしても身体が動けません。もう少し移動すれば、他の街の様子も見れるのに一体どうしたわけでしょうか。何が、何に置き換わるのか知りたかっただけなのに。
英会話スクールも何かに置き換わるのですが、どんなに目を凝らしても、それらしき看板や建物は見当たりませんでした。街角には道路らしきものもありますが、そう言えば車が一台もありません。この場所は昔で言う官庁街かも知れません。
民家らしきものは見当たりません。大きなビルが建ち並ぶ気配もないのです。街路樹や、それとつながった公園らしき一角と小さな林しか見えません。そういえば、さっき、彼女が乗り捨てたパイプが消えています。どこかに駐パイプ場があるのでしょうか?
空を見上げても晴れた空にきれいな雲がふわふわと浮いています。本日の夢はここまで…。 |