政治や経済、教育を地域ごとで考える社会・会社づくり

(25)これからの政治体制や社会保障制度

今後、一緒に同じ価値を共有できる「共栄共存型の社会」というのは、まず政治家や官僚、地方公務員と財界人たちの利権構造がゼロにならなければ成立することはありません。

新しい社会構造がスタートしても、個人間や企業間では様々な利害損得は存在しています。だから、それらを上手に調整し、社会全体が安心できるように考え、人々の意見を聞きながら気を配り、組織や地域をリードしていく責任を政治という形で動かしていくことになります。

現段階では、中央集権(永田町・霞ヶ関)と地方自治体(都道府県・市町村)で、一体どのような違いがあり、役割分担が変化していくかはまだ予測できていません。はっきり言えることは、政治家や官僚、公務員の人数が減るということだけです。

つまり、これからの時代の流れとしては地方分権が拡大し、東京にある中央政府や各省庁の果たす役割は小さくなり、「住民の生活を守る」という役割がある地方政府は、住民たちに強制するのではなく、共存していくことになるしかありません。

また、同時に「善・悪」という価値観が社会に浸透していくと、地域社会で善悪の価値判断が定まってくることになります。政治家や役人は、法律・規則の遵守や透明性の確保、行政手続の透明化、予算の効果的・効率的運用などについて、より厳しい要求が住民から出されてきます。

その結果、政治や行政は住民の目を欺くようなことができなくなり、これまでの利権構造でカネを儲けることもできなくなります。近い将来、政府はあってもなくても困らない組織であると、人々は認識していきます。

そのため、税金や社会保障の負担についても、必要経費を割り勘で負担するという意識に変わっていく必要があります。要するに、カネを中抜きをする政治家や役人に直接介入させず、自分たちで運営するということです。

そのような状況の中、ヒトもカネも持てなくなった政府は、民間と役割分担について戦略的に考えて行動するようになり、それでも変われない自治体は住民もろとも窮地に陥っていきます。地域性を認めない人間は、社会的に排除されていくしかありません。

最終的に、基本的な政府と民間の役割分担の考え方は、ヨーロッパの福祉国家であるスウェーデンやフィンランドのような社会構造となり、資本主義と社会主義の両方の強みを生かし、民間の活力と社会保障が共に充実するような社会になっていくと考えられます。

日本の地方自治そのものは、コロナ後を契機にすでに特徴を備えた姿に変わり始めており、この流れが加速して新しい政治システムが地方から生まれてくる可能性が高いと思います。

(26)日本の語学教育の未来

令和という新しい時代が進んでいる今、今の日本を支えている教育が一体どうなっていくのかと言えば、基本的に日本の学校教育で学ぶ英語は高校・大学入試のためだけにあり、実質的に何の意味もないのが現状です。

英会話スクールなど民間経営の会社は、コロナ後の経営手法や戦略において改善すべき点が多く、その悪影響が現場に暗い影を落としています。また、大学の英文科や英語学科を卒業しただけで、英会話スクールの受付やアドバイザーの職に就いていることも問題です。

「英語が好き…」「英語に関連する職業に就きたい…」というのはただの幻想であり、英語が聞けたり話せても情報リテラシーを全く身につけていないことがほとんどで、業界内は完全に空洞化している部分があります。

子どもたちが英語を話すための教育を文科省や教員たちが導入しない以上、英会話を話せるようになるための民間企業は必要です。私たちAtlasは、「共栄共存社会」がやってきても外国語教育は必要であり続けるものと考えています。

ただし、これまで通り「日本人の英語コンプレックス」を利用したカネ儲けを目的とした、英会話スクールの新規参入はなくならないと思います。大手と中小スクールの熾烈な競争は終わることがなく、そのために本当の意味で外国人と対等に勝負できる人が活躍することになります。

さらに、優秀な外国人が講師として日本に集まってくるようになり、社会を支える教育としての語学スクールは需要と供給が増えるものと思われます。

特に、競争力の高い英会話スクールは英語以外のスキルを身につけることができるようになり、能力の高い人材が働く場所にになっていく可能性があります。結局、これからは「健康」と「持続可能性」という2つの基本的な価値観を持たない企業は、社会から排除されていくことになります。

ところが、大手スクールのほとんどが外国人講師を使い捨てにしたり、日本人スタッフと判断基準を使い分けたりしています。そういう企業は、これからの時代には人々から拒絶されていくのは明らかです。

これからの日本の教育現場には優れたリーダーが必要になり、優れたリーダーがいないところは、経営としては次第に成り立たなくなっていくということです。

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