ひとり一人に商品やサービスをカスタマイズする社会・会社づくり

⑱消費者に寄り添った時代の会社づくり

「共栄共存」を基本とした会社経営の基本は、消費者に寄り添った商品やサービスを提供することです。今の時代のように、数ある商品やサービスを選ぶ自由があるということは、表面的には消費者にとって有利であるかもしれません。

しかし、実際には賢い選択をすることが消費者が行うべきことであり、商品やサービスについて何も知らない消費者が、限られた情報と知識に基づいて短時間で賢い選択をすることは、決して簡単なことではありません。

消費者の多くは、自分のニーズや好み、予算などの制約条件などを考えたした上で、賢い選択を信頼できる人に頼みたいと考えているように思います。例えば、英会話スクールに通うことは素人である一般消費者は学習方法を全て理解した上で入学することなどできません。

また、情報リテラシーを得て経営や投資、健康を維持するために具体的にどのような方法がいいのか、それを最も賢く選択することなど素人にはできないわけです。

本来、商品やサービスの売買というのは、表面的にはお金の等価交換でしかありませんが、実際には消費者の必要性や満足感に対し、売り手はその解決手段を提供するということです。だから、大切なことは商品の売買ではなく、しっかりとした価値も提供しなければなりません。

現在、サブスクリプションやネット通販などの登場によって、1990年代の経済よりもはるかに消費者の必要性が多様化し、さらに専門化しているので、購買活動が事実上の学習活動にもなっています。会社は消費者に対して、ますます最適の商品やサービスを提供する必要性が高まっています。

⑲ひとり一人にカスタマイズする会社経営

これからの会社経営というのは、消費者の必要性を解決するということを考える必要があるので、様々な商品やサービスから選んでもらい、競合他社とは競争しないまま適正な価格を設定する必要が出てきます。

同時に、会社は消費者から幅広く信頼されることや、幅広い分野の知識や知恵を持つことで、消費者とは分野ごとに解決できるような関係で結ばれるようになり、消費者はより幅広く仕事を行っていくことができるようになります。

そして、最終的には選ぶというよりも会社にとって最適の商品やサービスをカスタマイズさせることになります。これまでAtlasマンツーマン英会話は、10ヵ国語のコースのレッスンをひとり一人にカスタマイズしてきました。

そのような状況の中、カスタマイズするということはその人のためだけのサービスを用意するということですが、その人のためだけに動くということだけでなく、その人のために特別な組み合わせをし、特別な配慮をすることも含まれています。

近い将来、世界全体が個人事業主となってこのようなカスタマイズするためのネットワークで結ばれて、ありとあらゆる商品やサービスが取引されるようになった時、社会全体の経済が進化していきます。

⑳会員や馴染みの客にしかサービスを提供できなくなる

大企業やサラリーマンの終焉が近づいている今、新しい経済システム誕生の時代を迎え、個性的で全ての人が満足するような消費社会を作れることができるはずです。コロナ後は、むやみに顧客数を増やしたり、販売数量を増やすことはできなくなると思われます。

なぜかと言えば、商品やサービスの良さを知らない消費者を増やしたところで、相手の必要性に応えることができなくなるからです。つまり、会員や馴染みの客だけにしか深い関係のネットワークを結ぶことが困難になり、経営が不安定になってきます。

これからの会社経営というのは、カスタマイズするということを基本に、特定の相互に信頼関係が確立した会員に対して、他にはない独特の商品やサービスを提供していくということが基本になってきます。

実は、すでに今の段階でカスタマイズする経済は始まっています。例えば、受付や営業をする従業員や外国人講師の出自や学歴、職歴など、レッスンを受ける時は多くの情報が交換されています。

その他、会社が考えている教育方法や社会とのつながり方など、消費者が知りたい、学びたいと思う情報の多くが会社から提供されていく必要があります。一方、ネットで販売される場合、店頭で直接見て選択する以上に情報量を増やしていかなければなりません。

(21)消費者に信頼されるためにネット上の関係も整理していく

消費者は、その情報をもとに商品やサービスを購入すると同時に、会社は消費者から要求される情報を提供していくことで消費者が一体何を求めているのか、何を必要としているかを知ることができ、それを念頭にカスタマイズしていくことが可能になります。

特に、オンラインレッスンでは似たようなサービスや同じ講師が登録されている場合が多く、ランキングサイトや口コミサイトがリンク先は消費者が信用できる内容やが書かれていければならないわけです。

インターネットや雑誌などでは、ユーザーの体験談が多数掲載されており、無数にあるユーザーの情報に基づき、会社も消費者も自分たちの行動を改善し、進化させていくことができるようにすることも重要です。

これからの経営学は、会社が消費者にどのように添えるかにかかっています。小難しい経済の話をしても意味がなくなり、ひとり一人にカスタマイズされた経済が広く社会全体に行き渡るのは間違いありません。

INDEX

06.全く新しい語学学習・教育を受けられる社会・会社づくり