企業理念 プラウト主義型企業を目指してAtlasができる未来のための社会貢献
プラウト主義の5つの基本原則

 

インドの哲学者サーカーは最初16の詩句のなかでプラウトを要約しました。そして、その5つは最も基本的であるとみなされています。これはプラウトのもとで資源がいかに分配されるべきかを示したもので、自然資源と人間の両方のフィジカル(物理的、知的)な質とスピリチュアル(精神的、直観的)な質を認めることです。

 

① 物質的な富の蓄積の否定

 

「いかなる人間も、集合体による明確な了解と承認なしに、物質的な富を蓄積することは許されない」

これは私たちが住む地球の物質的資源には限りがあるという認識を示しています。サーカーは宇宙の相続財産という概念についても述べています。これは、宇宙の創造者的存在(宇宙意識)よって与えられた資源を人類は活用し分かち合う権利を持っている、と蓄蔵し、誤用する権利は持っていないということで、このことに基づいています。

サーカーは社会について集合体という言葉を用いています。政府は富の蓄積に制限を設ける責任を引き受けるべきだと指摘し、経済委員会を設けて、その委員会は「正直であり、社会的サービスを集合的に提供することによって本当に人間的福利を促進したいと思っている人物」によって運営されるべきであるとサーカーは主張しています。

 

② 宇宙の潜在力の最大限活用、合理的な配分

 

「宇宙の日常的な潜在力、超日常的な潜在力、スピリチュアルな潜在力のすべてが最大限に活用され、合理的に分配されるべきである」

最大限の活用とは、自然環境を保護しながら最大限の経済効率性をもって、この惑星の資源を最良に使用することです。もし私達の資産を賢明に使用するならば、全ての人が高い質の生活を享受出来るとプラウトは確信しています。

過剰な富の集中は、地球資源の劣悪化と利用低下を引き起こします。例えば、少数のエリートが広大な土地を所有した場合、しばしばその土地を使わないようにしておくか、輸出のための換金作物を栽培することでしか利用しません。そして貧しい農民達は辺境の土地に追いやられ、その土地を開墾せざるを得ません。

このようにして生態系の悪化がもたらされます。 超日常的な潜在力には、知覚器官(物質的な人間の五感)だけでは受け止められない、第六巻と呼ばれる直感のような精妙な知識とパワーという資産が含まれます。スピリチュアルな潜在力とは、この宇宙の中の引き付ける力といえるもので、それは私達の意識に近づいていくことを助けてくれるわけです。

 

③ 人間の潜在力の最大限活用

 

「人間社会の個体と集合体のフィジカル(身体・肉体的、物質的)な潜在力、形而上学的な潜在力、スピリチュアルな潜在力を最大限に活用すべきである」

この原則は、全ての人間の資源の活用に関して、個人と集合体の両方の福利の価値を強調しています。健全な個人が健全な社会を作り、健全な社会は健全な個人を育むようにしていく必要があるわけです。

今までの社会構造では、個人主義の行き過ぎの結果、家族の崩壊と利己的な「私=第一主義」が西側世界を中心に蔓延し、物質主義的消費社会は他の人々の要求に無関心で、自分の喜びと楽しみを追い求める人々を増やしてきました。

逆に、集合主義のみを追求して個人を抑圧したのがコミュニズム(共産主義)でした。 この原則は集合社会の幸せのために個人的なものを放棄するというわけではありません。プラウトによれば、個人と集合体の利害関心の間に避けられない葛藤は無く、むしろそれらの利益は共有されるという考えにあります。

社会は人間の多様性を尊重し、全ての人に自分のために考える自由を与え、自分の創造性を表現させ、多様な関係を結ばせる必要があり、プラウトの主要な目標は、個人が自分の可能性を十分に実現し、自分の夢と目標をなし遂げることを支援することです。

 

④ 適切な調整

 

「これらのフィジカル、形而上学的、日常的、超日常的、スピリチュアルな活用の間で適切な調整がなされるべきである」

伝統的な比較優位の経済原理は、国も人も、最も適したことをすべきであると主張し、貿易の項でも述べた自由貿易の諸問題を生み出しています。プラウトは、地域的自給が全ての人の生活水準を向上させる最良の方法であると考えています。

この論点は、人間と社会のホリスティック(全体的なつながりを重視するというような意味)な発展です。ある資源をどのように使うかで葛藤がある場合は、より希少で価値のある側面で資源が活用されるべきです。

例えば、文化大革命中の中国やクメール・ルージュ権力下のカンボジアでは、医師、看護師、大学の卒業生などがコミューンで農業労働するように地方に行かされました。農業労働をすること自体は実直で尊敬に値するが、高度な知識が活用できずに肉体労働のみに雇用されるのは不合理なことです。

また、スピリチュアルな発達を遂げた人、賢明さや思いやりを深く体現している人はもっと希少で、彼らには他の人に教えることに大半の時間を費やすことが許されるべきです。

同様にこれは物質的な資源にもあてはまります。例えば、特に心地よく美しい景観の土地は、鉱業の採掘をおこなうよりも、自然公園として維持されるべきです。化石燃料を燃やすと気候と環境が破壊されます。プラマー(動的な均衡)を回復するためにあらゆる努力がなされるべきです。

 

⑤ 状況に応じた活用の方法と活用の進歩的性質

 

「活用の方法は時、場所、人の違いに応じて変えられるべきである。そして活用は進歩的性質をもつべきである」

この原理は、社会は絶えず変化が生じているという認識から来ています。 プラウトは、人々が熟知しているというだけで、社会が変化しているのに旧来の同じ方針や慣習(システム)を続けようとすることで、多くの人々の苦しみをもたらしていることに気づいていて、このような自己変革しない硬直的なシステムの排除を目指しています。

プラウトのモデルは固定的なものではなく、実行に移される場所や文化の多くの特殊条件を考慮しながら、包括的な動的原理として適用されなくてはなりません。 テクノロジーは、創造と破壊のどちらの力も発達させます。今日、莫大な富を持つ組織や個人が科学研究の方向をコントロールし、その力を自分達の利益のために用いています。

プラウト社会を目指す者は、人類と地球の長期的福利のために、研究と開発を賢明な方向に導くことを行うべきです。人間の手と心を解放してより高い探求に向けるような新しい技術は歓迎される。しかしその際、その技術の影響を十分に見極め、否定的な影響を最小限に食い止めるよう努力することが重要です。

 

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