Atlasマンツーマン英会話が、不況の影響をほとんど受けないもう１つの理由は、Atlasは法人向けの請負いをほとんど受けなかったという事実がある。

企業の社員教育の一環としてのレッスンを提供している英会話スクールは多い。大手はもちろん、中小スクールも格安で行っているところもある。というより、大手英会話スクールは官公庁、大手製造業など、企業の人材育成のための語学研修の売り上げがかなりの割合にのぼっているのが実情だからだ。

企業研修ともなれば、ある程度の人数が集まる上に、毎年ほとんど同じ時期に同じ需要が見込めるのだ。１回の契約料金は数100万円になることもあり、全国展開している大手スクールのほとんどは、経営基盤の１つをこの企業研修に依存しているのが現状なのだ。

企業研修は売り上げ安定につながり、結果的にはスクール経営の安定につながる。ところがピーター・ヨネナガ氏は、語学スクールにとっていわば臨時収入的な企業研修に、ほとんど関心を持たなかったのだ。

「Atlasは、何かを身につけたいというその人の中にある意識というか、意志を見ていきたいのです。自分自身が語学を身につけたいという意志を強く持たないと興味が湧かないのです。自分でお金を払ってレッスンを受けることは意志を強く持つことと同じだと思うのです。でも、今は多くの企業家と交わる機会も多くなり企業研修に対しては理解を深めているところです。近いうちには本格的に法人向けチームを発足させる予定です」

不況で、多くの語学スクールがおそらくギリギリにまで追い詰められている。その大きな理由が、企業の経費削減によって企業内研修予算が大幅にカットされてしまったことにあるのだ。社員研修費を減額すれば、日常の業務に直接かかわっているパソコンなどOA機器の取り扱いなどの教育が優先させることになるのだ。

生涯教育の概念が浸透した今、企業の中には退社後、語学などを勉強する場合にその費用の一部や全部を援助するといった福利厚生やキャリアプラン制度を設けている企業もある。この場合も、企業と契約している語学スクールがその対象に選ばれる。ユーロ危機により、マイナス成長の決算を強いられる企業の多くは、こうした予算も削ることになるのである。

Atlasマンツーマン英会話は、他スクールが直面しているこうしたマイナス影響にも関与していないようである。その結果、他スクールとの成長カーブはますます開いてきた。BtoC（個人向け）のみで快進撃を進めてきた結果、最近は企業からの研修問い合わせも飛び込んでくるのだという。

企業もまた景気減速の壁にぶつかり、かといってグローバル化時代に語学研修は欠かせないのであろう。それならば、低コストで高い実績をあげている語学スクールに、とAtlasを選ぶことは当然の結果だろうと考える。