177.「ジョブ型雇用」推進で、就職できても簡単に解雇される時代の到来

欧米には日本人の知らない2つの世界がある
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(出典:2021年4月13日 日経ビジネス)

「ジョブ型雇用」を簡単に説明すると、仕事内容に必要なスキルを持つ人だけを雇用することです。これまで重視視されてきた「学歴や年齢」よりも「実際の仕事内容」に合わせた採用方法と言えると思います。

実際に、この雇用制度を最初に推進したのが経団連や経済同友会です。先日、経団連会長を退任した中西宏明氏(日立会長)が提案したことで、日本全国の中小企業家同友会が承諾せざるを得なくなりました。

ジョブ型は、これまでIT企業で採用されてきましたが、今回は製造業や小売業、サービス業など全ての業種で採用するということです。未だに、「終身雇用制度」が残っている会社はありますが、大企業でも営業課から総務課に配置転換させることもなくすというわけです。

近年、大学全入時代にはいってからというもの、大学を卒業した人のほとんどが専門分野の知識がなく、履歴書を送付されても会社の人事担当者は読む気もしなくなっています。なぜかと言えば、誰でも入社できる時代ではないからです。

雇用のカリスマに聞く「ジョブ型雇用」の真実【海老原嗣生×倉重公太朗】第3回
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(出典:2021年1月25日 Yahooニュース)

英会話スクールで言えば、単なる受付業務の人員を雇用する余裕などどこにもないのが現状です。英語スキルよりも、ITスキルを持つ技術経歴書の内容のほうが重要です。「遊学」でしかないワーキングホリデーや短期留学など、何の意味もないのは明らかです。

大事なことは、どのコンピューター言語やソフトを使って、いつホームページやプログラムを製作したかです。また、SNSなどで動画制作などマーケテイング分析の経験や実績があり、どれだけのレベルにあるのか詳細に説明する技術経歴書が選考に必要となることです。

今後、会社でも個人でも雇用する側は自分の「ジョブ・プロジェクト」に必要な人材しか採用しなくなります。つまり、自分たちに必要な仕事内容が、確実にこなせる人材人しか報酬がもらえなくなるわけです。

書類選考の時点、あるいは面接で社内やチーム内で具体的に何ができて、どれほどの成果を出せるかのアピールを資料付きで提出し、それを対面で説明できなければ入社することはできなくなります。

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(出典:時事通信)

この20年を振り返ってみると、「入社してから勉強する…」と言う人がほとんどで、しかも90%以上が何も勉強せずに辞職していった印象があります。このような甘えが一切通らなくなった今、採用条件はさらに厳しくなっていきます。

しかし、会社や個人がやって欲しい業務だけをこなすだけなので、その業務の意義や必要性がなくなれば解雇されることになります。再び、次の会社を自分で探すか、転職情報サイトに登録して探すしかありません。

ここで、転職情報サイトに勤務している人間の能力について伝えておきますが、まず単なる営業マンなので他業種の知識はなく、新聞や専門書も読まないので「人あたりが柔らかいだけの詐欺師」というのが現状です。

菅政権や省庁、自治体、大企業が崩壊に向かっているのと同様、これからサラリーマンになるという考え方自体に問題があるとしか思えません。これからは、使い捨てのロボットや部品感覚で扱われても文句が言えなくなってきます。

それでも、残業代は少し出るかもしれませんが、過労死やうつ病が増えるのは間違いありません。日本では、すでに「みなし残業制度」が導入済みとなっており、ジョブ型雇用では「労働基準法36条に基づく労使協定」など意味をなさなくなります。

しかも成果を出せなれば解雇となるわけで、このような恐ろしい雇用形態を日本を代表する企業が結集された経団連が提案するということは、これから日本全体が「監視社会」に向かっていき、働かなくてもベーシックインカムで晴れて本当の意味で奴隷の一員となれるわけです。

例えば、面接でITスキルを聞かれた場合、データベースのバージョンや使用言語が社内仕様と異なるだけでも採用されなくなっています。残念ながら、ここでも「入社してから勉強する…」は通用しません。

仕事ができない高学歴社員はなぜ生まれるか
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(出典:2021年4月5日 Yahooニュース)

実は、日本人というのは何らかのオタクが多いので専門的であるように思いますが、外国人と比べるとそうでもないことがわかります。日本では、自分で努力してスペックを積み上げるような人材などもうどこにもいません。

さらに、ジョブ型雇用では一流大学卒や大企業の勤務経験など全く意味がありません。wordやexelを使えるだけでは仕事がなく、AI(人工知能)の構築に必要なPythonなどのプログラミング技術が求められています。

面接ではこのようなやり取りの中で、選考から除外されています。自分の能力や機能があいまいな人間は、採用されることはなく、何とか面接にこぎつけても能力不足が明らかにされるだけです。だから、自分の能力や仕事について時系列で説明する必要があります。

W5H1を使って、いつ、どこで、何を、なぜ、どのようにしてきたかを書き出し、面接を受ける会社の求めるスペックを満たしているかをホームページで調べてから履歴書を郵送する必要があります。

これまでのように、新卒で入社して会社が何かしてくれるという程度の頭の人は要らなくなりました。ただし、運よく入社できたとしても、自分勝手な解釈や能力不足が露呈すれば簡単に解雇されることになります。

176.会社が人材を採用する時のひとつの基準が「人相」

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178.【お盆休み】 会員、講師、コラム読者など関係者へのご挨拶