171.種子法と日本人の未来

戦後、アメリカ進駐軍(GHQ)の指導の中、麻の栽培が禁止されて数千年も続いた日本の麻文化が途絶えたと言われています。

戦前までの日本人は、衣食住全てに麻を使ってきました。例えば、祭祀などでも麻が重用されています。結果として、日本人の免疫力が以前より弱くなり、日本古来の伝統野菜が西欧種に変えられてしまったわけです。

これは種(たね)を供給する種苗会社がJAと一緒になってしまったからです。つまり、ただの金儲けによって問題が始まっていることがわかります。

当然、降って沸いたようなビジネスチャンスに農家たちは乗り遅れまいと懸命になり、農家が独自に種取りをして、翌年もその翌年も伝統野菜を作り続けないようにしてしまいました。その結果、現在の野菜の約90%が種苗会社の種になり、そしてその多くは一代限りのハイブリッドとなっています。

ところが、地方の道の駅に行くと根強く伝統野菜が残っており、どこへ行っても同じ野菜ではない、伝統野菜のほうが遥かにブランド性が高いと思われます。JAとは別に、伝統野菜を作り続ける農家の生産指数がこの90%に含まれているかどうかは定かではありません。

今後、新しい自然農法の知識を携えて新たに参入する農家は、今さらどこにでもある品種(ハイブリッド)をつくっても競争することができないので、種取りをして地方の特性豊かな農作物を育てたほうが市場性も高いと思われます。

欧米型の物量優先農業は物流システムの都合上、好まれますが生産者にも消費者にもメリットは少ないのが現状です。結局、スーパーやコンビニのための生産方式、つまり都市圏や郊外型市場向け農業であるということです。

いずれにしても、この半世紀は農薬や化学肥料と連動した西欧種ハイブリッド生産のお陰で、日本人の免疫力や代謝能力はさらに低下しているのは明らかです。また、ミツバチや昆虫、魚の数も減少しています。

農作物自体も、窒素肥料過多の亜硝酸塩問題があるようで、大手化学肥料企業の利益やJAのご都合主義が最優先で動いています。これに大手流通企業が加わり、1円も見逃さないポスシステム導入レジによって税務署にもメリットが生まれました。

さて、私たち日本人が主食にしている「米」ですが、地方には独自のブランド米があって、美味しさや品質を競い合って日々切磋琢磨しています。結局、日本のお米は世界一美味しいと言わざるを得ないわけです。

ところが、これに不満を持っているのが大手化学企業です。何とかしてお米の品種を「我田引水」したいと考えています。そこで、種子法が改正(改悪)されたわけですが、地方のブランド米の種籾生産向けの補助金が廃止された苦しい現状があります。

例えば、単位面積辺り2000円の種代が今や10倍の2万円以上となっています。作付け面積の大きな米農家ほど負担が増え、種苗会社が提供する品種採用を促しています。最初はハイブリッドですが、遺伝子組み換えはないとされています。

すでに品種は完成しており、その種だけを使う契約栽培が存在しています。当然、その品種に最適化した化学肥料や農薬もセットで売られており、生産量は確実に増加するどころか、全量を買い取ってもらえるようです。

最近、ビジネスマンと化した農家たちは金儲けに力を入れるようになりました。短期的には、収入が増えるのは確実ですが、全量買い取りの先には大手コンビニや大手流通企業がいます。私たちが食べているブランド米ではなく、記号と番号のついた種籾を扱っています。

金儲けだけの米農家が味や満足度を一切心配をしない理由は、全量を買い取りしてもらえるからです。しかし、その先には遺伝子組み換え、さらには耐性害虫にも有効な危険な農薬や昆虫やバクテリアの遺伝子を組み込んだ品種に変わっていきます。

狩猟民族である西洋人というのは、罠を仕掛けて待っているのが生業です。それに対して、農耕民族である日本人は、その罠にはまると抜け出せない囲い込み農業の餌食になりつつあります。もはや、自然と折り合いながら農業を楽しむ自由などないということです。

気がつけば、農家は約束した量をこなすだけの単なる生産ロボットになり果て、全量を買い取ってもらった先で採算が合うかどうか誰も保証できない状況に立たされているわけです。なぜかと言えば、日本人の多くは顔が見える農家がつくった地方のブランド米を選ぶからです。

大手流通の囲い込みビジネスモデルが、今まで通りに機能するかどうかも分かりません。JAもこの先、存続するかも分かりません。何より、政治家や官僚たちがこの先も威張り散らすようでは日本の未来はないのは明らかです。

安倍は5時には自宅に帰り、麻生は国会で寝ているだけです。基本方針は「今だけ、カネだけ。自分だけ」なので、仲間を募っても指一本触れさせないという排除の論理がまかり通っているのが現状です。

最初から仕事する気がない日本人の多くも、これから本格的に始まるウイルス感染症や大地震、火山噴火、そして経済危機に翻弄されるだけのことです。日本国民が主張すべきは、「種子法廃止」や「中央集権解体」です。

また、「日銀国有化」が行われるとやがて政治家や官僚も無用になるのが民主主義です。遠い道のりと思いきや、すでにその流れに乗っているのは明らかです。

まずは、安倍首相以下の関係者全員を逮捕し、これまで無理矢理通した法案を全て破棄することから始めます。後の話はそれからです。

170.騙され続ける日本の有権者 国内で2つに分裂する前に選んでおくこと

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172.脈々と続く鼓動とグレート・リセット