155.誰もが近づきたくない「人間」とむしろ近づきたい「人」の違い

誰もが忌避して近づきたくない部類の「人間」が存在しています。その人間には一切関与されたくなく、お近づきにもなりたくないわけです。

実際、人間たちは、日頃から同じ類いの人間関係しか持たず、そのような人間はある種の洗脳に浸っており、道ばたで会う時などはそれなりに挨拶をしますが、それ以上でもそれ以下でもないことに気づいていません。

ところが、選挙の時だけは急に態度が変わることがあります。実際に、周りは迷惑しているわけですが、普通のセンスを持っていれば彼らが存在しているだけでも鬱陶しいと思うはずです。それが国会議員の80%もおり、もはや与党も野党もないわけです。これで正常な政治ができると思っている方がどうかしているということです。

そもそも日本人というのは、奥ゆかしく、知っていてもある程度我慢し、他者を尊重するものです。いくら法律上では思想信条の自由や信仰の自由と言ったところで、カルトであってもその方の人格まで否定したくはないものです。

彼らの一人ひとりは善良ですが、だからこそ、あなた自身と信仰は分けるべきであって、正しいとか、間違っているとかは言う必要がありません。なぜかといえば、どうしても言えと言うなら争いになるからです。ただし、相手が一定の信頼を置く間柄ならいくらでも話はしたいと思います。

私にはあることについての意見があります。しかし、あなたもあなた自身の意見を話して欲しいと願っています。もはや「テレビが言っていた…」とか、「学者が言っていたのは…」などは不要です。第一、そうやって追いつめると、実は自分自身の意見が空っぽなのが分かってくるものです。

結局、全て誰かの受け売りであり、自分の頭で考えたことがないことが判明してしまいます。何が良いか悪いかの判断基準がないのに、よかれで人にモノを言うだけではその方に失礼なだけです。そのことについて説明したとしても理解できるわけがないでしょう。

全くおかしな意見であっても、人として心がある以上は考えがあるはずです。自分自身の小さな意見など意味がないと本気で思うなら、それ以上の付き合いはもう無理です。私は、政治団体や宗教団体に全く興味がありませんが、対峙する目の前の人物には興味があります。

しかし、権力や利益についてある議員が町づくりをしているなど、実績については興味はありません。それよりも、若者が毎日のように会社でこき使われ、どう考えても未来が見えないことに怒らないほうが異常であると考えています。

日本以外の全ての国では、今時の若者のほとんどはアメリカ的な思考を持っており、伝統的な自主独立の気概が日本人よりはっきりしているので、「意見を聞きたい」と言うと喜んで意見を述べてくれる傾向があります。

そして、特徴としてユニークなのは、かなり強い調子で言い方はともかくとしても攻め立ててくるように感じ、理論というよりも感情論に近いですが、決してそれを曲げようとはしません。若い人は若い人なりに同じトーンなのが気になりますが、年長者は自信で満ち溢れています。

そろそろ日本人は、このような姿勢を見習う必要性が出てきつつありますが、間違っていても問題はないわけです。なぜかと言えば、臆病が最初に顔を出すよりは十分頼もしく感じるからです。当然、いつも上手くいくとは限りませんが、本気でぶつかると二度と口をきかなくなることもあります。

こちらは毎回顔を合わせるたびに挨拶をしますが、あちらはプイと横を向きます。このシンプルな反応というのは意外に嫌いはなれず、私もそのようにしたいですが資質的にできないようです。多くの日本人はそれが苦手なのかもしれません。

欧米人はもっと鋭く攻め立ててきますが、アジア人の多くが最も嫌いなアメリカ人やフランス人などと比較すると、「日本人は本当に優しい…」と口にします。中には、あまりにも優しいので騙してやりたくなると真顔でいう人もいます。

その日本人の優しさこそが、「YAP遺伝子」の正体であり、世界でもっとも権威ある科学雑誌Nature(ネイチャー)が、以前YAP遺伝子について取り上げたことがありました。その時は、大きな話題にはなりませんでしたが、日本の皇位継承問題が海外に伝わると、たびたびメディアに登場するようになりました。

A feed forward loop enforces YAP/TAZ signaling during tumorigenesis
Nature

YAP遺伝子はすで学術的にも認められており、世界的な遺伝子研究者の筑波大学名誉教授の村上和雄氏によれば、「YAP遺伝子は自分を捨てて他人に尽くす遺伝子」とされています。YAP(+)遺伝子は、日本人女性特有の遺伝子で、日本人女性の約4割が持っていると言われています。俗に言う、「日本女性は気遣いができて優しい」ということかもしれません。

一方、YAP(-)遺伝子は、日本人男性が持つ特殊な遺伝子で、日本人男性の約1割しか持っていないと言われており、希少価値が高いとされています。こちらも、「日本人男性は争いを好まず、礼儀正しくて優しい」と言われています。

YAP遺伝子を持っているのは東アジアでは日本人だけで、中国や韓国の人々の中にはYAP遺伝子はみられないとされています。それ以外の地域では、中東やチベットの人々に限定されているということです。

154.2020年以降、大企業が終わった後、「SMEs(中小企業)」の時代が到来する

INDEX

156.選挙というのは、本当は「無秩序な秩序」のこと