少なくとも第二次世界大戦以降の日本は単なる模倣民族でしかありません。もちろんヒナ型はアメリカ（GHQ）が用意しました。
中央（東京）に権力を集中し、地方には自治体を置きましたが、仕組みは中央のフラクタル構造になっていて何度も同じことを繰り返しています。枝葉をどこまで追いかけても地方オリジナルは発見することはできないのです。
それ以前にあった日本的慣習は完全に無視され、それでも日本人には肌に染み付いた慣習があります。それを拭うには義務教育が必要で、時間をかけて古き伝統はゴミ箱に捨ててしまいました。
工業も農業技術も経済性と生産性の美名の元に塗り替えられ、伝統工芸や郷土色豊な技術はかろうじて残っていますが、今や後継者不足に悩まされています。非効率で時間がかかり、その割りに儲かりません。
日本オリジナルの技術は数少なく、例えば日本刀の鉄鋼や上総掘り、その他にも色々ありますが、そのうちに博物館行きになるでしょう。さらに、自動車、鉄道列車、航空機も基本は海外のセオリーが基本になっていて、コンピューターに至っては周辺機器しかつくれません。
もちろん、日本のオリジナルOSであるトロンは航空機ごと墜落され、医薬分野でもSTAP細胞の発見はアメリカに持っていかれました。日本人はオリジナルをつくってはいけない民族だということなのです。しかし、それに同意したグローバル企業だけが優遇されています。つまり、1%の傘下でなければいけないのです。絢爛豪華な模倣文明を築き上げるのは良いですが、決して頂点に立つことはありません。
日本人は模倣が上手です。まるでオリジナルのように模倣します。これが世の中の仕組みの隅々まで行き渡った結果、一党独裁ができました。株式会社を模倣し、金融市場も模倣し、複雑怪奇な仕組みに見えますが、要するに欧米の模倣でしかありません。
特に、中央の中にいる人間は模倣しかしません。新しい制度なんて一つもなく、全ての旨味は外国に吸われる一方通行の水路設計しか許されていないのです。これはとてつもなく楽な仕事です。なぜなら、考える必要がまったくないからです。
自動的にカネが回っている仕組みになっています。関心事があるとすれば、どこで見えないようにカネを抜き取るかです。ご主人様のお目こぼしの効く程度に重箱の隅をつついています。そして、政治家も同じく、考えてはいけないのです。120%イエスマンでなければやっていけません。
しかし、楽かも知れませんが人間としてどうなのでしょうか？
と、まともな人はいぶかしげに思うでしょう。しかし、そんな疑問を持つあなたも模倣民族なのです。模倣世界で、ああでもないこうでもないと考え、意見をまとめ、ツィートしたりしています。ちょっと気の聞いた表現は直ぐに模倣し、どこからどこまで模倣したか、もはや分からなくなってしまうほどです。
実は、こういう私も同じです。模倣、コピペ、便利なツールを駆使して結局やっていることは模倣でしかありません。模倣自体は良くも悪くもないですが、人間は目で見て、耳で聞いて、技術や技法を盗みます。そうやって師匠は弟子を育てるのです。
しかし、今や師匠がいない時代になりました。日本古来の伝統技法以外、あらゆる分野の師匠は模倣の師匠になっています。その最たるのが大学教授など学識経験者です。模倣しか知らない人間の話はつまらないので誰も関心を示しません。それでも、模倣社会には必要悪なので結構威張っていられます。
つまり、模倣がいけないのではなく、その仕組みでは人間本来の生き方が出来ないからダメだということです。そこから抜け出すには模倣植民地の仕組みから出来るだけ距離を置くしか方法がありません。突き詰めれば仙人暮らしになりますが、それはハードルが高すぎます。
しかし、誰もが準仙人レベルにシフトチェンジしないと、この国は延々とオリジナルを持てない模倣社会のままです。せっかく優れたセンスを持って生まれても、模倣社会では一向に芽が出ることはありません。突出過ぎると殺されるかも知れないのです。
この現象は日本ばかりではなく、1%配下の中央集権体制の国々ではオリジナルは存在すること自体できません。優れたアーティストや企業家は、ある程度名が知れたら悪魔と契約しないと活動自体ができないのと同じ仕組みです。
一番の問題は、このような仕組みの元ではまともな政治家は存在できないということです。そしてまともな科学者も存在できません。なにより、まともな仕組みに携われる人材が存在できないのです。では、誰が後押ししてくれるのでしょうか？
意見を同じくする全員がサポートしてくれないと何をやっても無理です。本気で何とかしたいなら、自分一人で始める気概は必要ですが、同時に数の問題ではないですが支援が必要になります。現在の数千倍レベルでヒト、モノ、カネの支援が集まらないと物事は動かなくなっているのです。
語学スクールの現場で一人も生徒が来ない状況で、「結果を出せ！」と言われても出来ないものは出来ないのです。
中央集権に税金を払っている場合ではありません。そのカネはまともな仕組みづくりに投資すべきカネなはずです。模倣社会では、回り回って泥棒の財布にカネが集まっています。誰が考えたか知らないですが、実によく出来た仕組みではあります。
しかし、人生を模倣社会で過ごし、全ての投資が無駄になるのがわかっているのに今後も続けるつもりなのでしょうか？そもそも生きている意味など本当にあるのでしょうか？それでも良い、という人間は恐らくすでに魂が消えた抜け殻なのです。
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