GWやお盆シーズンに高級リゾートへ出かけても２日目には家に帰りたくて仕方がない人がたくさんいます。というより別の場所へ移動したいようです。根っから貧乏性なのか、それとも余裕がないのでしょうか？多分両方でしょう。
高級リゾートは自然の一角を切り取って、その中はお金さえ払えば自由に振る舞うことができる施設です。お客さんなので多少のわがままも通ります。しかし、別の角度から見れば、ゴミや糞尿も適宜処理されることになっています。
ところで、リゾート施設の一歩裏へ回ったゴミが問題になっています。その問題とは、ゴミや糞尿を海へ垂れ流していることです。高い料金を取ってこれはいけません。長い目で見れば、海は汚れ、それこそ観光資源が台無しになってしまいます。
しかし、この手のご利益優先商売の観光マインドが日本では蔓延しているように思います。つまり、環境にはまったく関心がないということです。儲かればいいのでしょう。経営者も幹部もどうせ短い命だから、政治家や有力者に恩を売り、「後は野となれ山となれ」なのです。
そもそも爆買いなどという無作法を喜ぶ風潮がおかしいと思います。これは商売ではありません。本物の商売人なら千利休の茶碗を叩き割るはずです。これで潤ったとか、滑ったの転んだの経済数値に一喜一憂するのは自殺願望の裏返しにしかなりません。
一部の大企業ばかりだと思っていたら、伝統的な商店街や下町でも流れに乗り遅れまいと必死の形相で商売をしています。しかし、もはや過去形になっているようです。
社寺仏閣が信仰の場から観光スポットに陥落したのは今に始まった話ではないですが、おみくじ神社と信仰がない表面ばかりの日本文化ではそのうち飽きられるはずです。建築物や仏像なりに魂を入れるのが専門ですが、逆に魂を抜いてどうするつもりでしょうか？
海外からやって来る本物の訪日観光客は、見世物小屋のような社寺仏閣では満足しません。それこそ、学芸員レベルの知見を求めてやって来ます。しかし、そんな少数派を相手にしたのでは収益を得られないので理屈は要らない、カネを落としてもらえばそれで良しというわけなのです。
そんな受け入れ側の思惑通りにやって来た外国人観光客は、いずれ怒りを爆発させることになります。「俺たちをバカにするのか？」と。
いよいよ、はじめて来た日本で外国人をカネを落とす道具としてしか見ていなかったことがバレてきています。右も左も分からなければ、順路通りに観光させられ、それは低レベル向け課金コースだったということが知れ渡っています。「なんだ、日本人は客を差別するのか？」「もし、きちんとした説明があるなら俺は入場制限付きの規律の厳しい寺院に行きたかった。」と。
もちろん、様々な外国人観光客がいるので、誰もが学者のような視点で見てはいないでしょう。しかし、「おもてなし」の基本は、例えそうではなくても相手を最上級の人間として対応することです。そうして少し仲良くなれば、徐々に打ち解けてきます。それはそれでいいですが、それでも相手を立てるべきです。
「どうして、そんなに丁寧なんですか？」「もっと気楽に接してください」と言われます。しかし、日本人品質は相手によって態度を変えません。相手が何者でも差別しないのです。反面、それなりのマナーを要求します。言葉が通じなくても「おもてなし」が正しければ、それを態度で示すことができます。
外国人観光客とは、いわば公式な各国の代表です。個人的な友達にならない限り、姿勢を変えないのが「おもてなし」です。それが個人の応対のみならず、地域、企業の観光マインドの軸にあるかどうか定かではありません。そもそも、その意味すら理解しない人間が日本には大勢います。
東京ディズニーランドを県や市のような自治体が運営するようになれば、いくら表面を飾っても軸に薄暗い陰が落ちることになります。楽しかったはずの時間ですが、どうにも後味が悪くなるのです。結果、長期低落傾向に歯止めがかからなくなります。
ここしばらく、かつてない外国人観光客が来日していますが、本当の満足度はどうなのでしょうか？下手をすると、「日本という国は大した事がない」と思われているのなら、向こう数十年は尾を引く大失敗になるでしょう。
そんなレベルでは報道の自由度世界ランキング72位は当然の評価と言えるでしょう。世界72位が丁度お似合いの民族には、この程度の観光内容で良しとするしかありません。いやはや日本人も舐められたものです。
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